08-013-1.gif

です。これなんか端的に表していましてね、陸上でものをつくるとき、最後は海に負担がかからないようにシステム的につくるということをさかんに考えています。
吉村 岸さん、最後になりました。先程から私は歌にもあるように「海は広いな、大きいな」と思っていたのですが、泉さんに伺うと「決して大きくはない、広くはない」ということですが、私たち国民一人ひとりができることと言いますか、海の環境保全にどうかかわっていったらよいのかお話してください。
岸 東京湾の水の汚れは、七〇パーセントが生活排水の汚れだと知りまして、大変ショックでした。私たち一人ひとりの責任なんですね。まさに台所からも海のことは考えられます。ちょっとだけ気をつければ、米の研ぎ汁の一回分だけは植木鉢にやるとか、油を直接流さないとか、一人ひとりのちょっとしたことが大きなエネルギーになるということでしょう。それには、海は汚れているのだな−、私たちが汚しているんだな−と海を見る、海を体験する機会がないといけないと思います。
海の日ができて、家族で台所からでも海のことは考えられるという意味で、国民の財産である海を大切にということをみんなで話し合ってもらえる日になったらと思っております。
吉村 みなさんのお話にありましたように、海上交通は二十一世紀に向けてますます高速化の道をたどっていくことになると思います。それとともに、安全システムなど海に関する安全技術というものも、今後飛躍的に進展するものと思います。海洋レジャー人口も増加していくにつれて、海というものは私たちにとってさらに身近なものになっていくものと思います。
七月二十日の初めての海の日を記念する本日のシンポジウムにおきまして、パネリストの方々から頂いたさまざまなご提言が、今後海洋国といわれる日本で生かされていくことができれば幸いです。
これにて、本日の記念シンポジウムを終了させていただきます。パネリストの皆さん。どうもありがとうございました。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ